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フランスのジャズピアニスト

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今回はフランスのジャズピアニストを紹介しましょう。


ミッシェル・ルグラン

フランスのジャズピアノといえばまずミッシェル・ルグランでしょう。

ミッシェル・ルグランは映画音楽の作曲家としても有名なジャズピアニストです。
カトリーヌ・ド・ヌーブ主演のミュージカル映画「シュルブールの雨傘」のあの有名なテーマを作曲した人です。

ピアノの腕もテクニックは一級でチェット・ベイカーばりのスキャットも聞かせます。
この人のピアノは速弾きの中にも少しブルースフィーリングに満ちたパリのエスプリが感じられる演奏です。

ジャズではなによりも演奏にその人のオリジナリティというものが求められるのですが、
ミッシェル・ルグランの演奏には彼にしかない独特のオリジナリティがあります。

10年近く前、ニューヨークのブルーノートで彼のライブを見る機会がありました。
前述の「シュルブールの雨傘」を、ボサノバ風、タンゴ風などいろんなバージョンで演奏して観客を楽しませていました。

晩年は前回紹介したバイオリンのステファン・グラッペリやキューバのトランペッター、アルトゥロ・サンドバルなどとの競演アルバムも発表しています。


ミッシェル・ペトルチアーニ

先ほどのミッシェル・ルグランと同じ「ミッシェル」というファーストネームを持っています。
ミッシェル・ペトルチアーニはイタリア系のフランス人のジャズピアニストです。彼は骨の発育が止まってしまう病気のため、いわゆる小人のような身長でした。しかし、その体つきからは想像もできないような力強い粒のそろったタッチが心地良く響きます。

私が学生時代「ブルーノート東京」でアルバイトをしていた時、働きながら彼の演奏を見ていました。あまりにタッチが力強いのでなんとピアノの弦が切れてしまったのです。

実は僕自身、彼の大ファンでして発売されているCDはほぼ全て買い集めました。

ロスアンゼルスに住むようになって彼が地元のクラブで演奏するというので喜んで見に行ったことがあったのですが、なぜか客席はガラガラでした。「これはいかん、世の中間違って折る」と思った僕は三日連続で彼のライブを見に行きました。彼がすでに亡くなっており二度と彼の演奏を聴くことができない今となっては思うと「あの時に5日連続で行っておけばよかった」と後悔しています。

名門ブルーノーとレーベルと契約しパリからニューヨークに移り住みました。
しかし晩年またパリに戻りフランスの新興のドリフェス・レーベルと契約しました。
ドリフェスレーベルではオルガンのエディ・ルイスとの競演作があります。

オススメアルバム
「ミュージック」
「ピアニズム」
「リー・コニッツ・ミッシェル・ペトルチアーニ」


ミッシェル・サダビィ

上記の二人ほど有名ではありませんが、この人もミッシェルで始まるピアニストです。
いわゆる「カクテルピアニスト」というミュージシャンにとってはあまりありがたくない称号を与えられていました。

演奏は聴きやすいのですが、ちょっと個性に乏しい感じもします。

日本で人気のある「クレモンティーヌ」に音楽を教えていたというエピソードもあります。


こちらで主なCDを紹介しています。

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# by artlifecanada | 2007-02-23 11:49 | Jazz

フレンチ・ジャズ

フレンチ・ジャズ_a0051752_10414756.jpg

さて、前回に引き続いて今回はフレンチ・ジャズのミュージシャンを紹介していきます。

フレンチ・ジャズを語る上で欠かすことのできないミュージシャンが二人います。

ジャンゴ・ラインハルト Django Reinhardt (ギター)

ステファン・グラッペリ Stephane Grappelli (バイオリン)


の二人です。

彼らは俗に言う「ジプシー・ジャズ」もしくは「ジプシー・スイング」と呼ばれるスタイルを確立した人たちです。

「ジプシー・スイング」というスタイルは日本ではまだあまりポピュラーな存在なものではないようです。もちろん「ジャズ」自体がそれほどポピュラーな音楽といえない現状で、その中のひとつのスタイルである「ジプシー・スイング」ですからそれは仕方のないことでしょう。

しかし、パリではこの「ジプシー・スイング」はそこそこ生活に浸透しているようで、地下鉄の駅や小さなカフェなど、街中のあちこちでジプシー・スイングの演奏が行われています。

ジプシー・スイングの楽器編成上の特徴は、ベース、ギターが2~3人、バイオリンくらいが一般的でそれにアコーディオンが加わることもあります。

「なぜギターが3人もいるのか?」「1人で充分ではないのか?」とあなたは思うかもしれません。
実は私も最初はそういう疑問を持っていました。

しかしこのような疑問は彼らの演奏を聴きこむと解消するのです。

だいたいソロを取るのは一人で、残された二人は一生懸命伴奏をしています。
それもジャズにありがちなシンコペーション(変則的なリズム)的な伴奏ではなく、4拍子の「ジャ、ジャ、ジャ、ジャ」という単調とも思えるリズムを繰り出します。

この単調なリズムが実はくせもので、フラメンコのように演奏を熱く煽り立てる効果があるのです。この熱い伴奏に後押しされ、ギターの人はソロをまた熱いソロを取ります。

1934年にジャンゴとステファンの二人が中心になって「フランス・ホット・クラブ・クインテット」を結成しました。パリを中心に活躍し、アメリカのジャズミュージシャンにも多大な影響を与えてきました。

ジャンゴは作曲家としても活躍し「マイナー・スウィング」をはじめ「ヌアージュ」、「ティアーズ」などの名曲を生み出しています。

まず彼らのアルバムを聞いてみてください。
ステファン・グラッペリはジャズ・バイオリンの第一人者というべき人で、その演奏は「水を得た魚」のようにすいすいと気持ちの良いソロを聞かせてくれます。

彼らのスタイルはジプシースゥイングとして確立し、今でも、後に紹介するビレリー・ラグリーンやローゼンバーグ・トリオ、リシャール・ガリアノなどに引き継がれています。

こちらで主なCDを紹介しています。

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# by artlifecanada | 2007-02-20 10:41 | Jazz

ジャズクラブの楽しみ

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ジャズクラブでジャズを聴く楽しみと言えば、お酒を飲みながらリラックスした雰囲気で音楽を楽しめるという点だろう。またステージと客席からステージが近く臨場感が味わえるという点もよい。

僕はジャズはライブで聴くなら断然ジャズクラブで聴く音楽だと思っている。

もちろん、B’zやSMAPのコンサートのように、横浜アリーナや東京ドームで聞いても特に問題があるわけではないのだが、ジャズクラブのあの雰囲気で聴いたほうがジャズを体で楽しめると思うのだ。

実際、今までにカーネギーホールを始め何度かコンサートホールでジャズのコンサートを聞いたことがあるのだが、コンサートホールの場合どこか自分自身が音楽に入りきれないというもどかしさを感じた。

物理的にステージから遠くなるという問題もあるのだが、それ以上にステージと客席が一体となれないような感じがしたのだ。そういう理由からコンサートホールでジャズを見た後はいつも不完全燃焼感というか消化不良感を感じてしまうのだ。

夏になると世界各地でジャズフェスティバルが催される。屋外の会場で開催されるものも多く、こちらは青空のもとビールでも飲みながらもう少しリラックスした雰囲気でジャズを楽しむことができる。
しかしこれもまたジャズクラブで演奏を聴くような、安心感がない。

ジャズクラブで音楽を聴くとクラブの程よい狭さと暗さが落ち着いた感じを与えてくれるのだ。

また演奏の合間にミュージシャンにサインをもらったり、話をしたりすることもできる。
ジャズミュージシャンは気さくな人がおおく、気持ちよくサインしてくれる場合が多い。
そんなわけで、今までに僕は好きなミュージシャンたちからCDにサインをしてもらってきた。

実はフランスで購入したジャズミュージシャンの写真集があるのだが、その本に掲載されている各ミュージシャンのページに本人からサインをしてもらうことを目指していた。

しかしいつの間にか、忙しくなってジャズクラブにいくことも少なくなり、また紹介されているミュージシャンもどんどん他界していってしまった。

時間ができたらまたこの趣味を再開したいと願っている。

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# by artlifecanada | 2007-02-15 08:42 | Jazz

バンクーバーの魅力

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あまたあるバンクーバーの魅力の中で、僕がもっとも好きなのはダウンタウンの水際です。

バンクーバーのダウンタウンは半島のような形をしています。

半島の先っぽは、スタンレーバークという広大な公園になっています。

日本で「公園」というと、どうしても住宅地の中にある滑り台とブランコと砂場があって「幼児が遊んでいる公園」をイメージしてしまいがちなのですが、北米で公園というとかなり大規模なものがほとんどです。

もちろん小さいものもありますが、有名なところではアメリカにあるヨセミテ国立公園など、日本の公園と比べるととてつもない規模の公園などがあります。

このスタンレーパークもヨセミテほどではありませんが、かなり大きな規模の公園です。

半島を海際に沿って続く一周約10キロの散歩道もあります。

散歩道のほかにも自転車やローラーブレード専用と道もあります。

公園の内側は自然林がそのまま残る森のようになっていて、その中にも何本ものトレイル(遊歩道)がしかれています。

ちょっと話はずれますが、この遊歩道をほぼ毎日スターウォーズに出てくるジェダイの騎士のような出で立ちで歩いているおじさんがいます。

このおじさんが何者かよくわかりませんが、僕が仕事に行く時間に毎日のようにこの人を見かけるのです。

このおじさんはジェダイ風のコートの中には柔道着のようなものを着ています。

もしかしたら森の中で一人修行に励んでいるのかもしれません。

ジェダイの修行のほかにも、スタンレーパークには多くの楽しみ方があります。

詳しくは次回に。


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# by artlifecanada | 2007-02-10 07:28 | Canada

コーヒーショップについて

コーヒーショップについて_a0051752_1453185.jpg

言うまもでもない話だが、アメリカやカナダのコーヒーはまずい。

日本の喫茶店で「アメリカン」といえば、薄いコーヒーのことだったように思うが、実際のアメリカのドーナツ屋、ダイナーやファミレスで飲むコーヒーは恐ろしくまずい。

そんな事情もあってスターバックスが「濃くておいしいコーヒー」を売りにして大成功した。

私自身はスターバックスのコーヒーは濃すぎてあまり好きではない。味が濃いだけでコクと深みがあまり感じられないからだ。

それはさておき、スターバックスやその他のハイエンドコーヒーチェーン店はコーヒー一杯の値段が比較的高い。カナダで税金込みで1ドル60セントくらいする。

そのせいもあって客層が少しよい。どちらかというとインテリっぽい人が客となる。
学生が本を読んでいたり、ビジネスマン風の男がコンピューターに向かって仕事をしたりしている。

それがドーナツショップ系だとコーヒーが1ドルくらいである。

この60セントの差で客の棲み分けが行われている。

ならずものはなぜかドーナツショップにたむろする傾向がある。
カナダでは「コーヒータイム」というチェーン店がありコーヒーとドーナツを売っているが、やはりならず者っぽい連中の溜まり場になっている。

ならず者達は急に叫びだしたり、怒り出したりして普通の客は恐がってしまう。
だからあまり普通の人はこういう店には近寄らない。

ならず者はところかまわず喧嘩をしたりするので、ドーナツ屋もたまったものではない。

そんなわけで、大手ドーナツチェーン店のダンキンドーナツはある作戦を実行した。

警察官が制服を着用して来店した場合はコーヒーもドーナツも無料ということにした。

そのせいでアメリカでダンキンドーナツに行くとやたら警察官が多い。

ダンキンドーナツ側の意図として、ひとつは「警察官の皆さん、治安を守るためにご苦労さんです。
たいしたことはできませんが、これが私達のささやかな気持ちです。
どうぞ無料のコーヒーとドーナツをお召し上がりください」という地域への奉仕の意味がある。

もうひとつは警察官が店でドーナツを食べたりしているので、ならずものもあまり悪さはできない。
アメリカで多い押し入り強盗もダンキンドーナツに入ったらいつ警察がくるか分からないということで、ターゲットにしにくくなる。

自前で警備員を雇うよりも、よほど効果的な犯罪抑止の力になっているのだ。

しかしどちらにせよ、北米のコーヒーショップって私はあまり好きではない。
その理由はなぜかあまり落ち着けないからだ。

日本の喫茶店はどちらかというと閉ざされた個人的な空間という感じがある。(もちろん店にもよるが)

北米のコーヒーショップはオープンすぎるのだ。店内の内装も画一的で面白みがない。

コーヒーショップというのはコーヒーを売るだけというよりもその空間の雰囲気を売る側面も強いのではないかと思う。

ウィーンのカフェなどにいかれた人はご存知だと思うが、かなり重厚な雰囲気になっている。
ウィーンのように重厚なインテリアのカフェだけがいいとは思わないが、北米のカフェも何でもいいから、どこかその店独特のスタイルというものを持って欲しいと思っている。

スターバックスなどのチェーン店ではそのようなことは難しいが、カナダのトロントを中心に展開していた「ティモシーズ」というコーヒーチェーン店はフランチャイズである程度の店内インテリアガイドラインはありながら、ある程度店主の個性が発揮できるようになっていた。

毎週2ドルで地元のミュージシャンによるジャズライブをやっている店もあった。

個人でやっているコーヒーショップには個性的で面白い店もいくつかある。

そんな店にもっと増えていってもらいたい。

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# by artlifecanada | 2006-09-07 14:54 | Canada